未来へのボール*WINTER*

ずっと…1人だと思ってた。


お父さん、お母さんが死んじゃって。

ライが起きるかも分からない

眠りについて。


1人はイヤだった。

大嫌いだった。

怖かった。


あたしに寄り添おうとしてくれる人は

たくさん居たのに。


自分から勝手に1人になってた。

もう誰も入れまいと必死で。


1人のままで良い。

2人の後の1人が怖いから。


1人のままが良い。

弱い所が自分の中に抑えられるから。


けど、1人は怖いんだ。

馬鹿みたいだけど。


「ラルー。明日は俺、部活あるからさ、

明後日一緒に帰ろうか。」


「…そうですね。」

けどもう、大丈夫。


「…明日、先輩の部活終わるまで

あたし、待ってます。」

怖くない訳じゃないけど。


「…え、良いよ。遅いぞ?」

でも。


「平気です。…彼女…ですから。」

あなたとなら。


あなたは、あたしの隣に居てくれると

誓ってくれたから。


信じてみたいと思った。


あたしは1人じゃないって。




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