紅蓮の鬼
そう言う彼女の目は、どこか寂しげだった。
「我ら鬼は性別の差など無い」
「え」
……まさに男女平等じゃねぇか。
「それに力が劣るといっても、ワタシの力は〝馬鹿と鋏は使いよう〟というようなものだ」
「…………」
淋はそう言って切なそうな顔をした。
なんつーか。
うん。
難しいな!
そして前を歩いている淋のもとへ行き、三人並んで、里に帰った。
鶏小屋から、元気よく「コケコッコォォウゥ」と聞こえた。
………朝帰り……。