紅蓮の鬼





そう言う彼女の目は、どこか寂しげだった。


「我ら鬼は性別の差など無い」


「え」


……まさに男女平等じゃねぇか。


「それに力が劣るといっても、ワタシの力は〝馬鹿と鋏は使いよう〟というようなものだ」


「…………」


淋はそう言って切なそうな顔をした。


なんつーか。


うん。


難しいな!









そして前を歩いている淋のもとへ行き、三人並んで、里に帰った。


鶏小屋から、元気よく「コケコッコォォウゥ」と聞こえた。


………朝帰り……。





< 147 / 656 >

この作品をシェア

pagetop