紅蓮の鬼
〝姐さん〟は俺を一瞥する。
「……」
〝姐さん〟は俺を見て驚く様子もなく、少し眉を潜めただけだった。
「悪いが全員席を外してくれ」
〝姐さん〟はこの部屋にいる男たちに言った。
「姐さん!!?」
男たちは驚きの声を上げる。
「2人きりで話がしたい」
〝姐さん〟がそう言うと、俺の左隣にいる男は焦った顔をして
「万が一、姐さんの身に何かあったらどうするおつもりですか」
と、立ち上がって言った。
「話をするだけだ。そんな心配は不要だ」
〝姐さん〟は静かに言う。
それでも男は「納得できない」というような顔をしていた。
「……そんなに心配するのなら、ワタシじゃなく華凜にしたらどうだ」
「…どういう、意味です…?」
男の顔が真っ青になっていく。
「取り上げ婆がお前を探していたぞ」
〝姐さん〟はフッと笑う。
「本当ですか!!?」
男は目をキラキラさせながら嬉しそうに言う。
「ウソを言ってどうする。いいから行ってやれ」
〝姐さん〟がそういうと男は元気よく礼を言い、深くお辞儀をして鉄砲玉のように部屋から出て行った。