紅蓮の鬼


「ここは孤児を積極的に集める場所じゃないんだよ?」


大きなため息の後に空木が言った。


確かにそうだ。


色緋は行くアテがない者で出来た里と言ったが、ワタシたちはその者たちを積極的に集めたわけじゃない。


ワタシと空木が声をかけたのは二、三人であって、あとの者たちは自らワタシたちについていくと言ったのだ。


しかも、ついてきた者たちはある程度の殺生の経験がある。


見込みがあるとはいえ、経験がない楓太とは大いに違う。


「楓太の相手が要とはいっても、要は本気で楓太を相手するような奴じゃない」


空木の言う通り、要は仲間に対して本気で攻撃をしない。


万が一のこととはいえ、自分が殺されそうになるという状況をつくりださなければ、おそらく楓太は伸びない。






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