紅蓮の鬼
千秋が寝息をたて始めた頃、ワタシは洞窟から少し離れた、ここの山々が一望できる場所に来ていた。
座って、月を見る。
雲がかかってない、三日月だった。
今日の月は何故かやけに綺麗だ。
「で、どうよ調子は」
楓太がワタシに声をかけた。
「どうもこうも、千秋の潜在能力について何一つ得られてない」
楓太はワタシと背中合わせになるように座る。
少し背中がひんやりとした。
「…………」
ワタシはため息をつく。
「そっか」
そう言い、楓太はワタシに体重をかけた。
楓太が疲れきった時のように「ふーっ…」と長い息を吐いた。
「……」
「……」
それから続く、沈黙。