紅蓮の鬼
「何だろねー…全く」
暫く沈黙が続いた後、彼が言った。
「血をあげると大人しくなるけど、何だろねー」
鬼は、ヴァンパイアのように血を欲しがることはない。
イチイ様は「悩みのタネだー」というようにしゃがんで、息を吐いた。
「あ、そう言えば劉月(りゅうげつ)が会いたがってたよ」
思い出したようにイチイ様が言った。
「……………」
「まぁまぁ、そんなげんなりしない」
彼は苦笑した。
「さて、と。……じゃぁ、もう行くね」
そしてイチイ様は帰っていった。
劉月、か。
彼は白鬼だ。