紅蓮の鬼




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そして、千秋自身が内の獣鬼に飲み込まれてしまったんじゃないかっていう俺の考えは、尽く打ち砕かれることとなる。




「あ、竜胆」


千秋は先を歩く淋を呼んだ。


「獣鬼が話したいことがあるって」


「あぁ」


彼女は空を見た。


続けて俺も見てみる。


月がちょうど南東のあたりにあった。


「休むか」


-----ボゥッ


「うぉ!!?」


千秋がこれでもかというくらいに目を見開く。


彼女は赤いウィルオウィスプを出しただけだ。


さっき見た俺とは違って、千秋は初めて見るようだ。


彼は目をキラッキラさせてそれを見ている。


「まさに鬼火だぁ」


千秋が赤いウィルオウィスプをつつきながら言った。


熱くないらしい。


――それと、


こっちじゃウィルオウィスプはオニビっていうらしい。






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