紅蓮の鬼
布団に入ってどれくらい経ったのだろうか。
隣で寝ている淋から規則正しい寝息が聞こえてきた。
俺が寝返りをうつように淋の方に体を向けると、目の前に彼女の小さな背中があった。
寒くならないように、と淋の出したオニビが、妖艶な光を灯して淋のうなじを照らす。
細くて白い。
そんな彼女の首筋に噛みついて、俺のことだけを考えるように血を貪ってやりたい。
俺がいないと駄目になってしまうまで、何もかも奪ってやりたい。
なんて。
そんなことを考えた。
「……………………」
俺はゴクリと唾を飲み込んだ。
淋からいい匂いがする。