紅蓮の鬼




彼女は呆気にとられている俺を一瞥して、腕を組む。


「我等の世界では15年を一歳として考える」


淋が部屋を出ながら言う。


愕然としていた俺の顔を見たのだろうか。


「馬鹿じゃねぇの」とでも言いたげな顔をしていた。


それはそうと。


――350÷15したら淋の歳が分かるってことか。


俺も淋についていく。


「えっと……あ。…え!!?23!!?」


思いの外若くてつい大きな声を出してしまった。


いやだってさっきまで35が云々って思ってたし。


「……煩い」


淋が辟易したような表情を浮かべて振り返った。


「あ、ごめん」


………………ま、歳のことはどうでもいいか。







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