紅蓮の鬼



「前に俺らが見たものと切り口がだいぶ違うらしいけど、」


唐突に飛屋久が言った。


「竜胆の体に刀傷のようなものが四、五ヶ所」


彼は彼女の状態を我に報告する。


「うち三ヶ所は貫通してた」


我は眉を顰めた。


「その上、」


彼は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、続ける。


「竜胆の肝臓が一部、抉り取られてた」




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