紅蓮の鬼
淋を水陰と呼ばれた男に任せて、俺は空木について行った。
「鴉から聞いているよね?」
彼はこちらを振り返らずに、少し焦ったような声音で言った。
「あぁ」
「姐さんがしたいことは恐らく無理」
彼は断言して、長い廊下を歩く。
空木が言っていることは、多分、彼女が言っていた、力を見せるのではなく、話でつけたいっていうこと。
「……何かあったのか?」
俺が淋を迎えに行っていた四日間の間に。
「人間が来たんだよ、ここに」
彼は「鴉が報告しに来た後すぐに」と付け足した。