紅蓮の鬼


「あ、お前も楓太でいい」


みなm…もとい、楓太がワタシに言う。


ついでに空木が見てない時に「俺、実は名字あんま好きじゃない」とこっそり耳打ちする。


「あ、どーだったよ?」


空木は先ほどの質問を思い出したように言った。


「どーもこうも…俺、すっごい弱っちぃ」


「え?」


空木がキョトンとする。


「こんなちっこい淋の攻撃を避けきれなかったー。あぁぁぁ…」


何故か、〝こんなちっこい〟を異様に強調して言った。


ワタシの身長は百五十とちょい。


まぁ、確かに小さいが。


身長は関係なかろう、身長は。



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