紅蓮の鬼
「姐様、」
要がワタシを呼ぶ。
ワタシは要に目を向ける。
「南楓太のことなら俺が鍛えることも出来ますが」
気を使ってか、要が提案する。
「姐様も空木様もお忙しいでしょう」
確かにそうすればワタシと空木の負担は減る。
だが、要の仕事はどうなる?
情報収集なら彼より右に出る者はいない。
「俺の仕事なら大丈夫です」
言葉を切って、続ける。
「姐様が俺に任務を言い渡す時、俺にしか出来ないと判断した場合のみしますから。その他はほかの仲間に任せます」
なるほど。
ついでに他をも鍛えるつもりか。