密恋~貴方に触れたくて~

Cafe

嫌い

タイプじゃない

そう告げられてから一週間後、桐生先輩から電話があった

でも、何を話して良いのか分からなくて鳴り響く携帯を握り締め、電話に出る事が出来なかった

先輩の用って何だったんだろう?

気になるのに、電話を掛け直す勇気もなくて溜め息ばかり出てしまう

弱虫な私

そんなんだから、先輩に嫌われちゃったのに‥‥

どうしたら良いの?

どうしたら‥‥

頭の中は桐生先輩でいっぱいなのに、自分が何をしたいのかも分からない


「悠璃、ちょっと聞いてるの?」

「えっ?」

「だから、ただでさえ痩せてるのに、まさかダイエット中なの?
 食事にも手をつけないし、それにぼんやりしていて、最近の悠璃はおかしいよ!!
 何か悩みとかあるの?」


学食のテラスで、注文したパスタが喉に入らず、手を止めたままの私を小乃葉が心配そうに聞いてきた


「な、何でもないよ!!
 ただ‥‥」

「ただ?」

「自分が嫌いなの
 強くなりたい」


そう、強くなりたい

何を言われてもへっちゃら

そんな風になれたら、嫌いって言われても平気になるはず

その為には、どうしたら良いの?

今の私は、出口のないトンネルをさ迷っているみたいだ


「強くなりたいって、何でそう思ったの?
 私は、今のままの悠璃で良いと思うけどなぁ~」

「今のままじゃ駄目なんだよ
 す、好きな人に私みたいなタイプは嫌いって言われたから‥‥」

「はぁ?
 好きな人って、ちょっと待って!!
 つまり、告白とかして振られたの?」


桐生先輩が好きだって事は仁美ちんしか知らないから、突然の告白に小乃葉は驚いて固まっている

「こ、告白なんてしてないよ!!
 それに、好きだって自覚したのも嫌いって言われた後だったし‥‥」

「告白するまえに嫌いって‥‥
 それって、好きになるなって牽制されたんじゃない?
 つまりは、俺に近づくなってきな感じって言うか、防波堤を造られたんじゃない?」



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