曖昧

「それでどうしたい?」

 いつの間にやら服を着た男は、ニヤニヤ笑いながら佳奈を見つめている。

「関係はこれ一回きり、以上」

 佳奈が早口でまくし立て立ち上がろうとすると、肩を押え込まれた。

「まだだろう?俺はどうするか一言も喋っていない」

 顔は佳奈好みだけど、

 ストリート系のファッションで開いた胸の真ん中にはシルバーのネックレスが揺れている。

 不味い相手かも

 そんな感想が佳奈の脳裏を霞めた。
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