石崎教授の研究室
石崎教授の研究室

石崎教授の研究室

「そんな泣きそうな顔をしてどうしたのかね」



研究室のドアを開けると、私の様子を見て驚きで目を見開いた石崎教授が、いつもの間延びした声で出迎えてくれた。



「とにかく中に入りなさい」



テーブルに乱雑に積み上げられた本の山、束ねられたいくつもの研究資料、ホワイトボードにマグネットで張られたメモ書きやマジックで書かれた走り書き、小さな冷蔵庫や電子レンジ…



古い本とほこっりぽさと、少し煙草の匂いが混じった独特の匂い。石崎教授の研究室。私の大好きな場所。

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