危険な瞳に恋してる
 そういえば。

 たしか……このデートの直前まで、紫音はダーク・クラウンにいたはずだった。

 徹夜で、お仕事をして。

 おいしい、お弁当まで作ってきてくれて。

 ちっとも、休みもせずに、わたしに付き合ってくれていたんだ………っ!

 そう、考えると。




 ……涙が出そうになった。




「行こう、紫音、ホテル!
 別に、紫音の部屋でもいいけど!!
 タクシー呼んで、すぐ、行こう!!!」




 ……紫音がちゃんと、休めるところに!!




 わたしは、きっ、と顔を上げると、タクシーを捜して通りを見回した。

 そんな、わたしに、柴田とあきらクンが目を丸くする。

「うぁ、春陽、ダイタン~~!」

「おい、春陽ちゃん!
 もっと自分の身体を大事に………」


 ごめん!


 二人とも!!


 今、そういうの、無視!!!
 
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