危険な瞳に恋してる
 それに。

 そうよ。

 そもそも、わたしは紫音が好きじゃないのよ!

 大嫌いなんだった。



 ……はあ。



 気持ちが中々落ち着かない。

 ベッドに座り込んでため息をつくと、らいむが膝の上に乗ってきた。

 ……やっぱり、わたし、らいむだけでいいかなぁ。

 かわいいし。

 好きなら黙って抱っこすれば、ごろごろ咽を鳴らしてくれるし。

 寝転がりながら、わたしの服の端で遊びはじめた子猫を見ながら、そう思う。

 と。

 らいむが、わたしのポケットに爪を引っ掛けるのを見て、大切なことを思い出した。






 ……わたし、紫音にお金、返してない!




 じゃれているらいむを、そっと引き離し、ポケットを探ると……

 ……ぶ厚いお札の束が出てきた。

 アニメで怪盗がわし掴みにして逃げるような。

 絵に描いたように、帯封がきちっと巻いてある……百万円だ。


 どうしよう!

 これ、どうしよう!!






 
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