アンサツシャ


手下「撃て撃て!」



 道路が直線になったところで、手下等はレインの車に向かって一斉に銃で撃ってきた。


 だが、距離と風の影響でレインの車には中々命中しない。



 物凄いスピードで三台の車が峠を下っていく。
 手下もそこそこ運転が上手いのか、レインの車に着いてきた。



手下「しぶとい奴め!
タイヤ狙え! タイヤを!」



 手下等はレインの車に撃ち続ける。
 物凄い数の銃弾が向かって飛んできた。

 その時だった。
 手下が撃った銃弾が、レインの車のタイヤに命中した。



手下「やったぞ! 命中したぜ!」



 レインの車がふらついたのを見て手下は叫んだ。

 しかし、レインの車は一瞬バランスを崩したが、すぐに立て直し、カーブを何事も無かったかのように曲がって行った。



手下「バカな! 確かに命中したはずだ!
なぜパンクしない!?」



 レインの車は特殊なタイヤを装着していて、空気が抜けてしまっても走れるようになっていた。
 軍の車両には多く見られる装備だ。



手下「チッ、構うな! 撃て!」



レイン「この前タイヤ交換したばかりなのにまた交換かよ……。
馬鹿みたいに撃ちまくりやがって」



 レインはハンドルの横にあるスイッチを押す。
 すると後ろのナンバープレートが上向きに開き、中から手榴弾ぐらいの小型の爆弾が何個か転げ落ちた。



手下「や、やべぇ! 避けろ!!」



 手下は急ブレーキをかけ、転がってくる爆弾を避けようとした。


 タイヤから煙とスリップ音をあげながら車は滑っていく。

 しかし、かなりスピードが出てたせいか避けきれない。



レイン「じゃあな雑魚ども」


手下「ノー!!」



 爆弾は手下等の車の下や回りで爆発した。
 数発の大きな爆発音とともに二台の車が宙を舞い、道路に刺さる様に落ち炎上した。

 レインはそのまま車を走らせ、自宅のあるガイロに向かった。
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