僕は自分がどれだけ幸せかを知らない
カタさんに会ってしばらくした。
どうやらカタさんは本当にホームレスらしい。
島井の家の近所の歩道橋の下に住んでいるらしい。
そして、僕は進路希望書に書いた。
僕と島井の、2人だけの道を。
いつかはこの気持ちを伝えたいな。

それと…進路希望の変更に先生が苦虫を噛んだような顔をした。
けれど、今は自信を持って行けと言われるレベル。
それも全部島井の放課後補習のおかげだ。
一緒に下校することも珍しくはなくなってきた。
もともと島井が1人で帰ることが多かったらしい。
真紀が島井に仕事を押し付けていたので、友達(島井は数多くない)と帰ることもなかったという。
それから島井の誕生日も確認できた。
こっそり生徒証を覗き見てやった。
そう。
これぞ夢に見ていた充実ライフ!!
リアルに充実!!
リア!!おぉ、リア!!
リア充最高!!
ってかこれ完全に僕、島井に恋してるね。
胸がドキドキしてたまらないんだ。
キラキラして止まらないんだ。
この不思議な感情が、あふれる想いが。
きっと泣かない彼女の眼には世界はどんなにクッキリと見えていることだろう。
僕の世界はたまにぼやけてしまうのに…。
結論…やっぱり恋は、よくわからない。
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