大切な人 -永遠なんて存在しない-

圭吾side



誰かの声が聞こえて…
声のするほう見たら橘と由香がいて
何かあったと思った。

だから、駆けつけたんだ

だけど、橘は、いなくて…
由香だけがいた。


「どうした?…喧嘩でもしたの。橘と」


聞きたくないことを自分から尋ねた。


「あ、ううん。瞬くんとは何もないよ…」

「なら良かった。何かあったら言えよ?」


良かった?
何言ってんだろ。
由香が何かあったって見にゃ分かるじゃん。
今にも泣きそうな顔してんじゃん。



嗚呼…

前みたいに君に触れられたら
俺は、君を包み込むのに


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