「1/4の奇跡」左側の君に【完】
「いいところだな・・」
拓人はぐるっと周りを見回した。
天文台の建物と
プラネタリウムが入っている科学館が併設されていて、
森の中には、いくつかコテージがあって、
泊まれるようにもなっている。
科学館は、
1階は受付と小さなカフェとショップ。
2階は科学館
そして、3階がプラネタリウムになっている。
2階の科学館から天文台に、通路でつながっている。
手を繋いだまま中に入り、受付に行くと、
職員の真壁さんがいた。
「お~来た来た。花音ちゃん久しぶり」
白髪交じりの髪とヒゲ。
背も高くて、真壁さんはお父さんよりも年上らしいけど、
いつ見ても渋くてかっこいいおじさんだと思った。
「こんにちは。真壁さん」
私達のやりとりを、
拓人は不思議そうに眺めていた。
「葉月さんはね、落ち込んでたぞ~。
天文台の方にいってるよ。
とりあえず、プラネタリウムがあと少しで始まるから、
そっち先にして、
後で、天文台に行ってみたらどうかい?
僕が葉月さんには伝えておくよ」