「1/4の奇跡」左側の君に【完】








私は10月に来館する小学校の詳細が書いてあるプリントを、

もう一度確認した。




「聴覚特別支援学校・・・っていうことは、

耳の聞こえにくい子供たちですか?」





広報の棚橋さんに聞くと、



「市内のはずれにある、ろう学校なんだけどね、

今まで隣の市のプラネタリウムの方が近くてそっち行ってたらしいんだけど、

そこほら、つぶれちゃったでしょ?

だから今年度から、うちを使うんだって」

と、ちょっと不安そうに答えた。




「そうですか・・・じゃあ・・



何かパネルというか、目でわかりやすくしてあげたほうがいいですね」







私は10月21日に向けて、


仕事が終わったあと、模造紙にわかりやすく図をかいたりして、


準備をした。




星空天文台は、小さな天文台だから、


職員が本当に少ない。



私は一応天文台の研究員だけど、

科学館の方にも、展示物の説明をしにいったりもしていて、



ほとんど、科学館にいることが多くなっていた。








そして、ろう学校が遠足にくる


10月21日がきた。









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