「1/4の奇跡」左側の君に【完】



体育館をあとにして、


教室へと走った。



教室に入ると、拓人はまた


机に顔を伏せて寝ていた。




私は、拓人の方を向きながら、

自分の席に座った。



トントンと優しく肩を叩くと、

拓人はむっくりと顔を上げた。





・・・少し顔がむくんでいる・・・





拓人は時々、まぶたが重そうな時がある。


そういえば、最近ずっとかもしれない・・・




「拓人・・大丈夫?」




「ん?何が?」




拓人はちょっとつらそうに、


私の方に体ごと向けた。





「調子悪い?」



「大丈夫だよ」




拓人は、ふっと笑った。




「ねえ・・部活辞めたって・・ほんと?」



私のその言葉で、拓人の顔が強ばった。




「あ・・



うん。本当だよ」




その時、前の席に詩織が戻ってきた。



そしてチャイムが鳴り、担任が入ってきて、


授業が始まってしまった。





拓人は前を向いてしまい、


私もモヤモヤとしながら、


前を向いた。






どうしてやめちゃったんだろう・・



あんなにバスケしている時、


楽しそうだったのに



あんなに上手だったのに




あんなにかっこよかったのに・・・



















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