『歩』〜人は愚か〜
私は、子供だったから母の言葉が理解できるはずはなかった

頭の中が真っ白になってしまい

その後母と何を話し別れたのか覚えていない

ただ、手には2000円が握られたままだった。


靴を買いに行かなきゃ。

それだけは解っていて、薄暗くなった空を見て慌てて靴屋に入った

980円の靴と360円の靴下を買った

靴屋と洋服やが隣にあったので助かった

マジックテープのない真っ白な紐靴を買った。

靴下は長めのスクールソックスを買った。


この買い物が母のお金で買う最後のものになるとは思わずに。

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