白と黒の神話
 ウィアのその言葉にカルロスは思わずかみついていた。


「だったら、もうちょっと言い様があるんじゃないのか」


 カルロスの声にウィアは肩をすくめている。それをみたカルロスはますますいきりたっていた。


「こっちは筋を通しているはずだ。向こうが返事をよこさないんだろう」


 カルロスの言葉にウィアは大袈裟にため息をついている。この主従の間では、何度もこの種の会話がなされているのだとミスティリーナは感じていた。ほっておいたら、いつまでも話し続けるのは目に見えている。この話はそろそろ打ち切った方がいいだろうとミスティリーナは思っていた。


「そろそろ、宿に戻らない? ここで話しても何の解決にもならないでしょう」

「そうですね。アンデッドたちと一戦交えた場所に長居はしたくありませんね」


 ウィアの言葉にミスティリーナも同意するようにうなずいている。
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