モラルハザード
「聖英か…確か、真琴ちゃんも斗夢くんに聖英を受けさせたいって言ってたわ」
真琴が聖英幼稚舎の話を一度したことを思い出した。
「さあね、どうかしら…?お受験では、親の人間性や教育方針もみられるものよ」
薫さんは、さりげなくだけどとても辛辣な言葉を放った。
「ね、杏子さん、よかったら今度そのプレ青葉の見学に行ってみない?」
それは願ってもないことだ。
「莉伊佐ちゃんが一緒なら陽太も喜ぶわ。」
たぶん、薫さんは陽太くんと気の合うお教室友達がほしいのだ。
お教室に慣れなくて、アレルギーでも起こされたら大変だ。
そのためには知ってるお友達はいた方がいい。それは同性の友達はダメなのだ。
同性である男の子の友達はゆくゆくは熾烈な競争の中のライバルになるのだから。