異国のアリス





「へー、キミ、ユズちゃんて言うんだ?」





ユズの名前を出したら、今までニヤニヤしながら聞いていたアルが、ユズに話しかけた


そして、流れで二人の自己紹介をした



………なんか、イラッとする…


というか、胸…心臓?のあたりがムカムカする





「それで?その格好はどうした、ユズ」





気づいたら、自分でも驚くくらいの低い声が出た


その声を聞いた二人は、若干顔をひきつらせていた



……やらかした


少し後悔していると、ユズが口を開いた

……若干ビクビクしながら



話によると、ウィンディたちが、ユズが働くことを分かっていたらしく、事前に用意させていたらしい





「はぁ……やっぱりあいつらか…ごめんな」





俺がいつもの調子で謝ると、ユズはホッとした顔になった




その後は、ユズが部屋を掃除してくれて、アルが「また後でね〜」と言って、ユズを混乱させて別れた


余計なこと言うなよな…


てか、もしかしてこいつ、夕飯食べてくんじゃないだろうな…



俺の考えが顔に出ていたのか、アルは俺を見ると、今日一番の笑顔を見せた



……嫌な予感しかしない…



これからのことを考えたら、ため息が出た





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