蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~
「・・・今回の縁談は、俺の将来を左右する重大なものだ。あと一か月で縁談がまとまらなければ、俺は将来への道を閉ざされる」
「・・・っ・・・」
「だがお前は、それを直前でぶち壊しにした。よくわからない理由でな」
雅人の言葉が胸に突き刺さる。
・・・絢乃を責めるようなその言葉。
絢乃はぐっと唇を噛みしめた。
雅人が怒るのも当たり前だ。
・・・どうすればいいのかわからない。
と、半泣きになった絢乃に。
雅人が、いつも通りの冷静な声で告げた。
「秋月。さすがにこれは『迷惑をかけました』だけでは済まない。お前もわかっているだろうが」
「・・・は、はい・・・」
「だからお前にも、この事態の収拾に一役買ってもらう」
「・・・え?」