蜜愛シンドローム ~ Trap of Masato ~



─── 一時間後。

絢乃は雅人ともに、伊勢山神宮に来ていた。

伊勢山神宮は桜木町駅から徒歩7~8分のところにある神社で、年が明けて初めての週末である今日は、初詣の参拝客が多い。


「はぐれるな、絢乃」

「はい」


絢乃は雅人に手を引かれ、参道の階段を登って行った。

途中、参道の入り口にある鳥居のところで、雅人は軽く一礼し、鳥居の端の方をくぐる。

首を傾げた絢乃に、雅人は少し笑って言った。


「・・・鳥居の真中は正中と言い、神の通り道だ。だから人は真中を通るより、端を通った方がいい」

「へぇ・・・」


絢乃は感心し、頷いた。

やはり、雅人はマナーの面においては徹底している。

驚く絢乃に、雅人は参道を見上げて言った。


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