蜜愛シンドローム ~ Trap of Takumi ~
─── 一時間後。
絢乃はスーツ姿で、パーティ会場の裏手の控室にセットされた機材を前に確認を行っていた。
機材と言ってもノートパソコンだが・・・。
絢乃はデータベースのソフトを開き、中に入っているデータを確認した。
デモの開始予定時刻まであと15分。
「接続設定も良し、データ状態も良し。あとは貿易システムを立ち上げてみれば・・・」
絢乃は画面の隅に置かれた貿易システムのショートカットをクリックしてみた。
・・・が。
クリックした瞬間、画面に『データベースに接続できません』の警告ウィンドウが表示された。
「・・・え?」
と蒼白になる絢乃の横で。
橋本さんが、同じく蒼白になる。