求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
それからしばらくは年末年始のトーク番組の収録などで忙しく、彩乃とはメールだけだった。
脅迫事件についても、進展はないようで事務所への報告もあまりなかった。
彩乃には会えないクリスマスが過ぎ、新年を迎え、連休も終わった頃……
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「彩乃…」
俺は、白っぽい部屋の中で眠る彩乃のベッドサイドにいた。
2日、眠り続けている。
俺は仕事で明日の朝には帰らなければならない。
どうか、それまでに目を覚ましてくれないだろうか…
右腕には包帯、見えないが背中にも包帯、そして、頭にも包帯……
ただ、顔だけは傷がなく、それだけをみるならただ、普通に寝ているだけに見えるくらい穏やかな寝顔だった。
どうか、目を覚まして、俺にまた、あの笑顔を見せて…