求*幸福~愛しい人はママだった~【完】


「………」



「………」



「スゥ…スゥ…」



「う、れしい、ね?」



「ん、だな…まぁ…」



目が合うとにこりと微笑みあい、頭をガクンと揺らしながら食べ寝してしまった紗彩をみて、また、フフフッと笑いあった。



このささやかな感じがこの上なく幸せだった。



寝てしまった紗彩をベビーカーに乗せて『だっこしても、ベルトをいじっても全く起きないもんなんだなぁ』なんて、思ったりして、館内を観て回る。



出口付近の売店に寄る。



すると、そこがどこだかわかったかのように目を覚ましキョロキョロと周りを物色しだす紗彩。


そのタイミングのよさにまた、二人して笑ってしまう、本当に自然体で居られて居心地がよかった。



ベビーカーから降りた紗彩は俺の手をひいて、「んっとねぇ、えぇとぉ…」イルカやアシカのぬいぐるみ、クラゲのキーホルダー…



悩んで悩んで、イルカのぬいぐるみと保育園で使えるタオルを選んだ。



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