求*幸福~愛しい人はママだった~【完】


「俺のこと、わかんなかったんですか?」



少しだけ、ショックを受けた素振りを見せながら言ってみた、すると…



「あっ!いえ、あの…私、芸能には疎くて、あの、TVもニュースしか観なくて、あのでも、お名前とお顔が一致してから、ハリウッド映画に出られた方って思い出しましたよっ?」



早口で一生懸命伝えようとしている声が、顔が、可愛くて仕方なく、そのまま不機嫌を装うことは無理だった。



「ハハッ、そんな必死になんなくても、別に怒ってないですよ、そんな、自惚れてるつもりもないですから」



自然と笑顔になりそう答えていた、彼女を困らせたり嫌な思いをさせたくないと、当たり前のように思った。









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