【砂漠の星に見る夢】

ホールにいた王族や家臣は驚きざわめき、ヘムオン自身も驚き、言葉を失っていた。


「11歳の子供に、宰相の称号を与えるとは」


「いくら優秀でも、信じられない」


ざわつく中、皇太后ヘレスは顔を引きつらせるように笑い、


「ファラオ、幼子に何をお戯れを」


と窘めようとすると、クフはヘレスを睨みつけ、


「誰にも口出しはさせぬ!
これは決定事項だ。これからは、ヘムオンの言葉に我が言葉同様の力を持たせる」

と強い口調でそう言い放った。


イシスは感激に胸を熱くさせ、ジェドは「やった」と小さく声を上げた。


ヘムオンは跪き、ウアス杖をしっかと受け取った。


「ありがたき幸せにございます。宰相として全力を尽くしたいと思います」




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