Special
◇交錯する想い◇

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『由麻、これがおれの知るレンだ。あとは由麻のしたいようにしたらいい』

『……』

『逃げるもよし、追いかけるもよし。ただ…』

『…ただ…?』

『中途半端だけはやめてくれ』

『―――…』

『半端な優しさほど傷つき、捕われることはないとおれは思うから。あと、』

『はい…?』

『―――これは自分で渡せ』




そう言って一度は渡した筈の合い鍵とお金はまた私の手の中へと戻ってきた。

堂本さんと別れて私はひとり、前にレンとチビを見つけた公園にやってきた。


不本意だったかもしれない。レンにとって。
第三者からあんな事情を話されてしまったのだから、知った時はどんな思いになるだろう。


でも、私にとってはごちゃついていた心が整理できて、すっきりとした。


―――私、レンを諦めない。
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