Special

Ren's side

ーーーーーー



「レン、3番指名入りました」
「了解」


俺は特に確認もせずに一言返事をしてついていたテーブルに声を掛けて立ち上がった。

ちょうど3番の席は今いる席からは死角になっていて見えづらい。


「オイ、お前“オレの客”取るってどういうことだよ!」


ふと俺を横から呼び止めたのはマサキだった。


「はっ?」
「お前やっぱりあの女が特別か?」


―――“あの女”


そのマサキの言葉で思い当たるのは――――


「ゆ、由麻!」


一人しかいない。
俺は3番テーブルの見える角度にずれてその姿を確認した。


「はっ。だったら、奪うまでだ。どんな手を使っても」
「!…マサキ、てめぇ…何がしたいんだよ!」
「頭のキレるレンならわかんだろうよ。興味があるのはあんな女じゃねぇ」


俺は目を大きく開けてマサキを見上げる。



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