Special

もうそんなハンカチになんて執着してないで、さっさと忘れて、普通の生活に戻りなよ!


自分で自分にそう言いたい。

けど、まだ踏ん切りがつかないのは昨日、拾ってしまったから。



「···ホストClub DReaM レン」


手にあるのはレンの名刺。
裏にはご丁寧に連絡先まで書いてある。それはもちろん個人の連絡先だろう。


レンがあの時煙草を出したのと一緒に名刺を落としたんだ。


「ちょっと、今朝から暗い!暗い暗い暗い~~~~~!!」
「あ、茜!」


私が一人で名刺と睨めっこをして辛気臭いオーラを出していると、背後から茜が絡んできた。

私は茜を見て、“ホストに詳しい従姉妹のお姉ちゃん”について聞きたくて仕方がなかったけど怪しまれること確実だから我慢することにした。




< 14 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop