Special

「――――いや。まだわからない。おれが直接見た訳じゃないしな…しらばっくれられたらちょっと面倒だ」
「…いや。アイツはしらばっくれたりはしないと思いますけど…」


レンはそう言うと少し外の景色を見てから再び口を開いた。


「ーーマサキは今回見逃してやってもらえませんか」


そう言ったあと、レンは私を見て問う。


「由麻……いいか?」


マサキが実際自分の身には何もしていなかった、とあの後白状したことと、マサキの過去の話も知った後。

同情と言えば否定は出来ないが、その類の思いから、マサキを責め立てる気持ちは毛頭なかったので私はこくりとただ頷いた。


「由麻を危険な目に遭わせたのは許せないけど…」
「…マサキにもチャンスをあげたいんでしょう?」


レンの言葉につなぐように私は言った。


「レンが、マサキが自分と似てると思うのなら、余計にマサキを放っておけないんでしょう?」


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