Special

レンは袋を内ポケットに仕舞うと一人外に出ていった。



「―――堂本さん!」


階段を昇りきると、そこに一台の黒い高級車。

レンが近寄ると後部座席のスモークガラスが下がった。
サングラスを掛けてる堂本はそれを外し、レンに「乗れ」と一言言った。


扉を閉めると車内は運転手と、堂本とレン。



「レン。さすがだな!」

今まで表情一つ崩さなかった堂本が満面の笑みでレンに言った。


「…たまたまッスよ」

そしてレンもまた、誰にも見せない砕けた柔らかい表情で堂本に言って見せた。


「すみません。これ、今月分です」
「ん、確かに」


レンが数十枚の万札を堂本に渡すとそれを素早く指で弾いて音を鳴らした。


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