わたし、すきなひとができました。



「よしじゃあまず学級委員、立候補は手挙げろー」

スッとまっすぐに手を挙げたはるごん。

学級委員はすんなりと決まる。


「次、体育委員立候補いますかー?」

先生に代わって進行をするのははるごん。

その声に雛子が手を挙げる。

「男子の立候補いますか?」

「「……。」」

「じゃあ体育委員男子は一旦飛ばします。次、保健委員」


はるごんがまっすぐわたしを見て言う。


…やってみよう、かな。


「お、じゃあ野口さんお願いしますー!男子はそっちでじゃんけんして決めてください」

じゃんけん?って事は、複数いたんだ。


「まじかー。俺じゃんけん弱いのに」

「…原田くん保健委員やりたかったんだね」

「うん、じゃ行ってきます」


フワッと笑って原田くんはじゃんけんしに行った。


「へぇ…原田くんって…へぇー?」

「へぇ…って?原田くんがどーしたの?」

「別にぃ♪?」


ニヤニヤしながら言葉を濁す雛子。

何?原田くんがどーしたの?


「うぁー!!!!」

「よっしゃ!!!!」


その時、じゃんけん会場だった教室の隅から雄叫びが聞こえた。

勝負決まったのかな?

…原田くん、勝ってたらいいのに。


「…っえ?」

い、いやいや違くて!

わたし何言ってんの!?

や、原田くんとは話しやすいだけで…って何でこんな必死に撤回しようとしてるんだろ…。


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