最後の恋なら




「じゃあその自転車でどっか連れてって」







「え?」





ママチャリなので後ろに座れるスペースがある



にしても大丈夫なのか?




「ち、チャリでですか?
二人乗り?」



「え?乗せてくれないの?」


「あ、いや、でも明日も茉愛菜さん出勤ですよね?
車置いてって大丈夫ですか?」



「明日は電車でいくよ
早くー!どこでもいいから連れてってよー」



いつも大人な茉愛菜さんがちょっと子供っぽいところを見せてくると
ドキッとしてしまう自分がいた



「じゃあ行きます?」



こうでもしないと終わらないだろう



「やったー!じゃあ運転して!」



まあいっか!



ちょっと遊ぶだけだし



「んじゃースポッチャでも行きますか!」


「おー!スポッチャ好きだよ!
自転車で行ける?」



「時間かかるけど行けますよ!」



俺はチャリに乗る



そして


茉愛菜さんが後ろに乗る



男みたいに股を広げるんじゃなくて


横向きに座ってて上品に見えた



「行きますか!」



チャリを漕ぐと



人が乗ってるとは思えないほど軽かった





「茉愛菜さん軽いですね!」


「なに!?聞こえない!」



「もういいや!スピード上げますよ?」


「え!怖い!怖い!」




俺はスピードを上げる






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