黄金の半跏像(A探偵団1)

エッサーホイサー

○広隆寺、土塀、内、夜
土塀の中。荷車の周りにパネルが立てられる。
三人の赤忍者、本殿の屋根伝いに竹竿と
映写機、スピーカーを運ぶ。

青忍者6人、手際よく猛スピードで穴を
掘り始める。場所は本殿の真裏である。

(忍者達)「エッサーホイサー。エッサーホイサー」

○同、土塀、夜
原田、土塀の上から内側に飛び降りる。
黒々として静か、何も見えない。
歩き出そうとしてパネルにぶつかる。

(原田)「いてっ!」
不審げに、両手で空中を触っている。
(原田)「あれっ、これは?」

風景と見事なまでに同化したパネル。
原田、木に登り中をのぞく。
目を丸くして驚く原田の顔。

○同、パネルの中、夜
ランタンの灯だけでがむしゃらに掘り進む青忍者6人。
(忍者達)「エッサーホイサー。エッサーホイサー」

だんだんと動作と掛け声が早くなる。
さらに狂おしく早くなって、
みるみる砂の山が高くなる。

○同、本殿の屋根の上、夜
赤忍者3人がいる。一人が竹竿を持ってスクリーンを
広げながら庫裏の屋根を伝い大木にわたる。
あと一人は映写機とスピーカーをセットする。

残る一人は竹竿スクリーンを持って屋根の上に立つ。
(忍者達)「エッサーホイサー。エッサーホイサー」

○京都府警本部、本部長室、内、夜
ソファーで眠る本部長。
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