あと少し少し…

出会い

「こんにちわ〜。」

由佳はそおっとドアを開けて誰かいるか確認した。






由佳は今現在高校2年生だ。

最近学校の授業について行けないので、生まれて初めての塾に通う決心をした。

中学の頃は頭はそこそこやっていけたのだが、高校の成績はガタ落ちしてしまったのだ。

赤ペンだらけの成績表にさすがに親が許さなかった。

正直、由佳は塾に通うのは気が進まなかった。

けど親の圧力には勝てなかった。



今の由佳にはおもおもしく見えるドアの奥には人の気配はなかった。


「すいませ〜ん。」


数回呼んでみたが返事は返ってこなかった。


するとドアに一番近い教室のドアが開いて、由佳より1個上くらいに見える男が出てきた。

「何か用ですか？今塾長出てて居ないんすけど...。」

「あ。あの今日から塾に入ることになってるんですけど。」

「ああ。なら中に入ってもいいと思いますよ。」

「どうですか？ありがとうございます。」

そう言って由佳は頭を下げた。

「奥に事務室あるからそこにいるといいよ。」

と言ってその人は教室の中に戻っていった。



事務室に行く途中にさっきの人がいる教室を覗いた。


あ。一人で勉強してる...。

すごいなあ〜。さすが塾来てるだけあるよな。

私もいつかそうなるのかな？

そう思うと由佳は可笑しくなった。