紫陽花



恨むぜ、今朝の俺。

そんな事を思いながらも、
いつも準備の良い幼馴染の圭介を見る。

圭介の事だ、きっと……、…い、いや、多分、
(心良く?)傘を貸してくれるだろう。

圭介は俺の祈るような視線に気づいたのか、
とろけるような笑顔で一言。

「御愁傷様、千瀬<チセ>」

その言葉に俺は、両手を頬につける。

「NOーーーー‼」


< 10 / 31 >

この作品をシェア

pagetop