紫陽花



「部活の時くらいはリップ取れって、言わなかった?」

振り向いた瞬間、
少し不機嫌そうに呟く屋城くん。

「ご、ごめんなさいッ、今日は休みだと思って――」

慌てて弁解するも、途中で彼の素っ気ない言葉によって遮られてしまう。

「言い訳はいい」

屋城くんは顔を少し近づけてそう言ったかと思うと、
人指し指を私の唇に寄せる。


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