スウィートレッスン〜運命の相手は…幼なじみ!?〜
酸素不足のあたしは、はぁはぁ…言ってるけど、それとは反対に光貴くんは余裕の表情。
「あたし、次の電車でも別によかったのに…」
「乗れたんだからいいじゃん」
ラッシュの時間帯と快速電車という理由からか、電車の中はかなり混んでいた。
「あっちに行こう」
光貴くんの声に従うまま、反対のドアがある方に移動した。
「ここの方がちょっとはマシでしょ?」
「あっ…うん。ありがと。あの…手、離してくれる?」
階段をかけ上がる前に、握られた手首がまだそのままだった。
「…うーん。ゴメン。それはできないかな」
「えっ、なに言ってるの」
「離したくないから…。てか 絶対に離さない」
かわいい笑みはどこかに消えて、真剣な表情の光貴くん。
そんな顔もするんだぁ…なんて、のんきに考えてる場合じゃない。