誠の桜に止まる蝶~沖田目線~
「さあ、ここなら少しは雨をしのげるね。」

大きな木の下で雨宿りをする。

そして蝶は僕の頭をふきながら尋ねる。

「あの日って?」

「僕は昔大切な人を雨の日に失ったんだ。」

「亡くなったっていうこと?」

「うん。殺されたんだよ。僕をかばって。」

淡々と僕は過去を語っていく。

「あの時、僕にもう少し力があれば・・・僕は毎日ふさぎ込んでいたんだ。そんなとき僕を助けてくれたのが近藤さんだったんだ。」

蝶は黙って聞いてくれる。

「だから僕はどんなことがあっても近藤さんを守るんだ。強くなる。だけど、雨の日がくるとどうしても思い出してしまうんだ。」

その瞬間ぎゅっと蝶に包まれる。

「蝶?」

「なんで総司は一人で抱え込むのよ・・・・」


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