逢いたくて
どれだけそうしていただろう

「ゴホッゴホ…ハァハァハァ…」

息苦しくて体を起こしているのがやっとだった

自分でもどうしたらいいかわからない…

「ハァ…ゆず…る…」

来るはずのない彼の名前を口にだしてみた

来ないって分かってるけどもしかしたら…

でも聞こえるのは雨の音だけ

そのとき



『死にたいのか』

意識がとぶまえにそんな声を聞いたような気がした

譲の声じゃない…

そんな風にも思った気がした
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