逢いたくて
「ここに住まない?」

「へ?」

渉の突然の言葉に私は耳を疑った

「なんで昨日君が公園にいたのか。なにが君を悲しませたのかとか全然わからないけど悪い人じゃなさそうだし。今君を帰したら二度と会わないだろ…。でもそしたら俺、雨が降る度君がどうしてるか気になっちゃうし」

「でも…」

「俺、婚約者を亡くしてここにひとりで住んでるんだ。本当は結婚したら同居する予定だったんだけど」

「……」

なんて返したらいいかわからない…

「あっ気にしないで。婚約者は亡くしたけど親が勝手に決めた相手だったからさ。心の痛みも…いまいちね…第一会って間もなかったし」

政略結婚てやつなのかな?

だとしたら譲と同じだ…

「いつまででもいいよ。どうせ病院にいることが多くて夜くらいしか使ってないんだ。ルームメイトってのだと響きがいいかな?」

「でも…」

「俺が勝手に言ったことだから家賃はいらない。光熱費も。だからごはん作って?」

「へ?」

「もしいてくれるなら炊事洗濯してくれたら最高」

渉はまた無邪気に笑った
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